日本国著作権法とConvention de Berne pour la protection des oeuvres litterailes et artistiquesを対照し、理解を深めたい。

2008年8月18日月曜日

著作権法 第1章 第1節 第2条 第9号の2 有線放送の定義 9号の3 有線放送事業者の定義

九の二 有線放送 公衆送信のうち、公衆によつて同一の内容の送信が同時に受信されることを目的として行う有線電気通信の送信をいう。
 
九の三 有線放送事業者 有線放送を業として行う者をいう。


有線放送に関しては、現在の著作権法ができた1970年当時は非営利・無料の場合には、同時再送信以外の場合も含め、権利者の許諾なく有線放送できるとされていた。しかし、CATVの大規模化・多チャンネル化が予想されるようになったことから、有線放送一般について権利制限することは適当でないとされ、昭和61年改正において、放送の同時再送信に限って権利制限することとした。

ベルヌ条約における有線放送の扱いは
Article 11bis Droits de radiodiffusion et droits connexes:
(1) Les auteurs d’œuvres littéraires et artistiques jouissent du droit exclusif d’autoriser:

(i) la radiodiffusion de leurs œuvres ou la communication publique de ces œuvres par tout autre moyen servant à diffuser sans fil les signes, les sons ou les images;

(ii) toute communication publique, soit par fil, soit sans fil, de l’œuvre radiodiffusée, lorsque cette communication est faite par un autre organisme que celui d’origine;

(iii) la communication publique, par haut–parleur ou par tout autre instrument analogue transmetteur de signes, de sons ou d’images, de l’œuvre radiodiffusée.

(2) Il appartient aux législations des pays de l’Union de régler les conditions d’exercice des droits visés par
l’alinéa 1) ci–dessus, mais ces conditions n’auront qu’un effet strictement limité au pays qui les aurait établies. Elles ne pourront en aucun cas porter atteinte au droit moral de l’auteur, ni au droit qui appartient à l’auteur d’obtenir une rémunération équitable fixée, à défaut d’accord amiable, par l’autorité compétente.

(3) Sauf stipulation contraire, une autorisation accordée conformément à l’alinéa 1) du présent article n’implique pas l’autorisation d’enregistrer, au moyen d’instruments portant fixation des sons ou des images, l’œuvre radiodiffusée. Est toutefois réservé aux législations des pays de l’Union le régime des enregistrements éphémères effectués par un organisme de radiodiffusion par ses propres moyens et pour ses émissions. Ces législations pourront autoriser la conservation de ces enregistrements dans des archives officielles en raison de leur caractère exceptionnel de documentation.


第十一条の二 〔放送権等〕
(1)文学及び芸術作品の作者は、次のことを許諾する排他的権利を享有する。


(i)作品を放送すること、又は作品を、記号、音若しくは影像を無線で送るその他の手段により、公に伝達すること。

(ii)放送された番組を元の放送機関以外の機関が有線又は無線で公に伝達すること。

(iii)放送された番組を、拡声機又は記号、音若しくは影像を伝えるその他の類似の器具を用いて、公に伝達すること。

(2)
(1)に定める権利を行使する条件は、同盟国の法令の定めるところによる。ただし、その条件は、これを定めた国においてのみ効力を有する。その条件は、著作者の人格権を害するものであつてはならず、また、協議が成立しないときに権限のある機関が定める公正な補償金を受ける著作者の権利を害するものであつてはならない。
(3)
(1)の規定に基づいて与えられた許諾には、別段の定めがない限り、放送される著作物を音又は影像を固定する器具を用いて記録することの許諾を含まない。もつとも、放送機関が自己の手段により自己の放送のために行う一時的記録の制度は、同盟国の法令の定めるところによる。当該法令は、その一時的記録が資料として特別の性質を有することを理由として、これを公的な記録保存所に保存することを認めることができる。


そろそろややこしくなってきたのですが、有線放送です。ベルヌ条約による有線放送の定義は明白で放送された番組を元の放送局以外の機関が有線にせよ無線にせよ公に伝達する。とあります。

11条の2、第2項では著作者人格権に言及があります。このあたりが最近ホットな話題。

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著作権業界に居るものです。この度著作権法をきちんと勉強したく、Blogを作りました。